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歌舞伎よもやま話

歌舞伎よもやま話「歌舞伎の色ー柿色・茶色」/ 語り:大城戸建雄

こんにちは。手ぬぐい専門店 麻布十番麻の葉です。

 

今回の歌舞伎よもやま話は「歌舞伎の色ー柿色・茶色」にまつわるお話です。

語りは大城戸建雄氏です。歌舞伎柄の手ぬぐいの原画を手掛ける歌舞伎のエキスパートによる『歌舞伎よもやま話』をご堪能ください。

 

▶過去の歌舞伎よもやま話」はこちら

歌舞伎よもやま話「歌舞伎の色ー茶色・柿色」

 TOKYO2020 のオリンピックの開会式に、ジャズピアノとコラボして 11 代目市川海老蔵丈が『暫』の鎌倉権五郎のいでたちで現れ、市川宗家代々に伝わる「睨み」の見得で、大会の成功とコロナ収束祈願をした映像が世界に流れたのは記憶に新しい。

 この鎌倉権五郎の素袍の色が柿色である。柿色はまた市川宗家の色でもあり、襲名時には市 川一門が柿色の裃を着衣する。定式幕にも黒と萌葱と柿色が使われていて、江戸時代は毎年2 月に顔見世狂言があり、必ず『暫』が上演されたそうだ。その意味では、柿色は江戸歌舞伎の 権威と伝統を象徴する庶民好みの色だったようだ。それは、市川荒事歌舞伎が江戸の庶民の英雄であり、その市川宗家が使っていた柿色が江戸歌舞伎の色として印象付けられたと思われる。

 柿色はあらゆる明度色まで数が多い。そもそもが橙色が暗くなって茶色と呼ばれている。茶色というのは、元々チャ(茶)の葉を煮出した汁で染めた色のことで、数ある茶系統の色の中のひとつに過ぎなかった。喫茶の嗜好を産み出した室町時代から、茶道が完成するに従い、染色にも茶染めが普及していく。

 特に江戸時代に庶民の間で茶の色とその色名を愛好するという流行が生まれ、「四十八茶」といわれていろんな茶色が生み出された。茶色の流行は、当時の歌舞伎の舞台や、役者たちに愛好された茶系色が多かった事が大いに影響しているのである。

 成田屋(市川家)、音羽屋(尾上家)などの家の色として使われ、舞台で演じた役の色でもあってしばしば江戸時代を通じて流行色になったのである。

役者色の茶色

 初代市川團十郎以来、代々が狂言の衣装の色に使ったのが團十郎茶である。弁柄と柿渋で染めた茶色で、衣類の他小間物などにも使って流行したが、今日歌舞伎の定式幕に使われている柿色がほぼ同色と言ってよい。

 初代尾上菊五郎が好んだと言われる梅幸茶は、緑が強い茶色である。代々の音羽屋に愛用されて、一時流行色としてもてはやされている。

 江戸の役者達は俳句をよくしていて、俳名を用い、色名にはその名前を付けたのが多い。梅幸というのも役者名にはなったが、もとは菊五郎の俳名である。その他、璃寛茶(二代目嵐吉三郎好みの焦茶色)、芝翫茶(後の三代目中村歌右衛門の好んだ、焦茶より明るい茶色)、四代目岩井半四郎が好んだ、丁子で染めた茶色は岩井茶と呼ばれ、男女の別なく愛好され大きな流行色となっている。

 それらの中でも最も長く流行を繰り返したのが路考茶である。女方の名優としてその名を残す二代目瀬川菊之丞の俳号を付けた茶色で、今でいうキャラメル色の様な明るい茶色で、江戸中の若い女性が、彼が演じた役の衣装や持ち物を真似たと記録にある。

 茶系統の色は大地から連想される色で、全人類が共有している色ではあるが、その色に我らの先祖が与えた色名に、この国の色彩文化の特色が現れているといえよう。時代時代に好まれた色は数々あろうが、江戸時代の庶民の心を捉え、歌舞伎と密接なつながりを持った色として特出される茶色である。近代や現代のように、西欧的な明快で鮮やかな原色調を好む時代になっては、茶色は郷愁に似たアンティックカラーになったといえるのだろうか。

(團十郎茶)勝川春章画 五代目市川團十郎「暫」

歌舞伎「暫」成田屋

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麻の葉では、今回の歌舞伎よもやま話に登場した歌舞伎の演目「暫」や「柿色」の手ぬぐいをご用意しています。

手ぬぐい「暫(大城戸)」歌舞伎

手ぬぐい「暫」

歌舞伎よもやま話の筆者・大城戸建雄が原画を手掛けた「暫」の手ぬぐいです。

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歌舞伎よもやま話で紹介した歌舞伎の演目・暫を描いた手ぬぐいです。

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歌舞伎よもやま話で紹介した歌舞伎の演目・暫の隈取を配した手ぬぐいです。

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歌舞伎よもやま話で取り上げられた「柿色」でを染めた歌舞伎手ぬぐいです。

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手ぬぐい「歌舞伎座さよなら公演」歌舞伎

手ぬぐい「歌舞伎座さよなら公演」

歌舞伎よもやま話で取り上げられた柿色の定式幕をモチーフにした手ぬぐいです。

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手ぬぐいを通して、歌舞伎を楽しんでいただければ嬉しいです。

 

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