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歌舞伎よもやま話「歌舞伎の色・浅葱」/ 語り:大城戸建雄

こんにちは。手ぬぐい専門店 麻布十番麻の葉です。

 

今回の歌舞伎よもやま話は「歌舞伎の色・浅葱」にまつわるお話です。

語りは大城戸建雄氏です。歌舞伎柄の手ぬぐいの原画を手掛ける歌舞伎のエキスパートによる『歌舞伎よもやま話』をご堪能ください。

 

▶過去の歌舞伎よもやま話」はこちら

歌舞伎よもやま話:歌舞伎の「色」浅葱

 日本の劇場にはいろんな「幕」が存在する。引き幕。緞帳。浅葱幕。揚幕など。舞台と客席を仕切る布である。元来日本の芸能では楽屋と舞台を仕切る揚幕などはあったが、過去の資料など見ても客席と舞台の間に幕はなかったようだ。中世の「能」「狂言」、或いは初期の歌舞伎においては、演者は舞台に出て演技して戻っていく。演目自体が独立していたために幕を必要としなかったのである。1664(寛文)年に上方・江戸で続き狂言が上演されて以来、多幕の演劇が発達するに従って引幕も使われ出し、演出上重要な役割を担うことになった。

 西洋では上下に開閉する緞帳を用いるが、歌舞伎では左右に開閉する引幕を用いるのが原則となっている。1879(明治 12)年に開場した東京の新富座ではじめて緞帳が用いられるようになった。しかし新歌舞伎や松羽目物の舞踊などに限られている。

 引幕には1 枚のものと、上方の忠臣蔵の序幕に使う中央で分かれた2枚ものとがある。また襲名興行のときなどには、贔屓筋から贈られる〈贈り幕〉、背景を描いた〈道具幕(波や遠山などが描かれたもの)〉、〈黒幕〉、〈浅葱幕〉、〈紗幕〉などがある。

 浅葱幕・・・浅葱色(淡い黄味がかったブルー)に染められた幕だが、〈振り落し〉という演出に使われている〉。筆者にとっては、黒、赤に次ぐ歌舞伎の色として特別な感傷がある。浅葱幕は舞台の上に1本の棒が渡されていて、そこに取付た栓で吊り降ろしてある幕を一瞬にして降り落とすのである。華やかな舞台がパッと開いて、俳優が型を決めて立っていたり、見栄を決めていたりして、一瞬のうちに歌舞伎の豪華な世界に観客が引きずりこまれるというものだ。

 「義経千本桜」の道行きで、静御前と忠信が満開の桜の前に立っている舞台などは、俳優を強烈   に印象づけるのである。また本舞台にかかる前に、ときに並び大名や町人の皆々ぜりふがある、幕 前(浅葱前)の芝居をすることもある。『京鹿子娘道成寺』の舞台では、道成寺の坊主達が花道か   ら出てきて出て来て、鐘供養の話をしたり、般若湯(酒)と天蓋(蛸)で酒宴の相談・・という一 芝居がある。これも立女形の襲名興行ならば大幹部俳優が坊主になるというごちそうがあって、坊 主が引っ込んんだのち、浅葱幕が振り下ろされてはなやかな舞台が登場する。カブキの醍醐味と言 える。取り敢えずこの浅葱幕が吊られているのを目の当たりにして、観客の心はたかぶるのである。何度見ても振り下ろされた時の一瞬の感動が常に新鮮なのだから。それが歌舞伎の魔力なのだろう。そして同じ舞台を繰り返し繰り返し見ても感動させてくれる力があるのだ。

 華やかな舞台だけでなく、暗い寂しい場面のときも浅葱幕は使われる。たとえば忠臣蔵五段目の「鉄砲渡し」の場面。浅葱幕が落とされると、勘平が中央の松の木の下に座っている。編笠で顔を隠した勘平が顔を上げると闇の中に白塗りの二枚目の顔が浮かび上がる趣向だ。歌舞伎は舞台機構も演出も俳優もつねに観客に感動を与える事を意識していると言える。

 浅葱色の衣装は若衆の色気、哀感、死への予感などを表す衣装に使われる。菅原伝授の桜丸や、鈴が森の白井権八、勘平など色若衆といわれる役柄にふさわしい色として、観客の涙を誘う役に 使われてきた。新選組が羽織った上着も浅葱色で、武士の死装束という印象も強い。

 400 年の古典芸能の伝統と日本人の色彩感覚とが、作り上げた色と言えるだろう。

「歌舞伎よもやま話」に関連する手ぬぐいはこちら

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麻の葉では、今回の「歌舞伎よもやま話」に関連する手ぬぐいをご用意しています。

手ぬぐい「疋田」浅葱色
手ぬぐい「義経千本桜」

手ぬぐい「義経千本桜」

歌舞伎よもやま話で紹介した義経千本桜の道行を描いた手ぬぐいです。

手ぬぐい「義経千本桜」の商品ページはこちら▶

手ぬぐいを通して、歌舞伎を楽しんでいただければ嬉しいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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